学生さんや将来を模作中の方の中には、会社勤めのご両親の扶養家族になっている、自営業のご両親の扶養家族になっているという方もいらっしゃいますよね。扶養していた家族がワーホリや留学で国外居住者になった場合の扶養控除申請について解説します。
海外転居届を出しても扶養控除の対象になる?
日本で扶養していたご家族がワーホリや留学で国外居住者になった場合、扶養している事実を証明できる書類を提出することで扶養控除を受けることが出来ます。
会社にお勤めの場合は会社に、自営業の方は確定申告時に必要な書類を添付してください。
扶養控除を受けるために必要な書類とは
給与所得者も自営業者も揃える書類は同じですが、給与所得者は年末調整までに会社へ提出する必要がありますので早めに準備をしましょう。
①親族関係書類 戸籍の附票(申告者と扶養者の関係性が表示されているもの)
②ワーホリ・留学ビザの写し
③送金関係書類(生活費や教育費を支払った領収書などの証明できるもの)又は年内に38万円以上を国外居住者へ送金したことを証明できる書類
①②③を用意して給与等の支払者に提出、確定申告書類に添付する必要があります。
送金関係書類とは
学費や生活費を送金した証明のことです。
語学学校であれば領収書が発行されますからそちらを添付してください。領収書が申告者本人の名義でない場合は申告者の口座から出金されていることを証明(申告者の通帳のコピーなど)できれば大丈夫です。
生活費は定期的に申告者から国外居住者の口座へ送金されている通帳のコピーを添付してください。
クレジットカードの家族カードを持たせている場合は、引き落とし口座が申告者になっいてればワーホリや留学中の国外居住者の生活費を送金していると認定されます。
※簡単に言うと申告者から扶養者へ送金されている、生活を助けているという証明が必要ということです
年内に38万円以上を送金した証明
学費や生活費では無いけれど、国外居住者に対して年内(税申告年度内)に38万円以上送金した通帳のコピーがあれば扶養控除を受ける事が出来ます。
ワーホリで生活費は稼いでいるけれど足りないから両親に送金してもらった場合、その合計金額が38万円以上であれば扶養控除の対象になります。
帰国してきた海外居住者の扶養控除はどうなる?
年末調整や確定申告の税申告年度内に扶養者が海外から帰国した場合、既に役所で住民登録を済ませているので上記で説明した書類をそろえる必要はありません。
扶養者が会社勤めの方場合は、年末調整担当者に一報しておきましょう。
特別なことをする必要はなく、普段通りの年末調整、確定申告で帰国者が扶養控除対象者(扶養者とする場合)であると申告すれば大丈夫です。
まとめ
扶養していた家族が国外居住者になった場合、扶養している事実を証明する書類を提出すれば扶養控除の対象になります。
給与所得者の場合は年末調整までに、自営業者の場合は確定申告書を提出するまでに必要書類を用意しましょう。
●ビザは現地で手にするため日本を出国する前にコピーできませんから、現地に到着したら早めに鮮明な写真を送ってもらってください。
●附票は本籍がある役所で手配しますから、居住地と本籍が違う場合は早めに準備をしておきましょう。
ただし公的な機関に提出する場合は有効期限を設けていることもありますので、提出先に確認をしてから期限が切れないように手配をしてください。
●送金に関する書類は、申告者が扶養者を支援していることが解るお金の流れを明確にできれば大丈夫です。通帳のコピー又は領収書などを用意しましょう。
扶養控除の申告に関する詳しい内容や書類は必ずお住いの税務署または、お勤め先の税務管理者へご確認ください。
揃える書類は多いですが、簡単な書類なので申告漏れのないように早めのご準備を。